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5. 大規模凝結

5.1 大規模凝結

各格子点において, 比湿が飽和比湿よりも大きい場合には, 大規模凝結が起こって飽和状態に調節される. 凝結した水は速やかに降水となって落下し, 雨水の蒸発は考えない. この大規模凝結は, 時間積分の後, 調節として積雲対流のパラメタリゼーションに引き続いて行なわれる.

大規模凝結の起こる条件は,

$\displaystyle \hat{q} > q^*(\hat{T},p)$ (5.1)

である. ここで, $ \hat{T}, \hat{q}$ は 時間積分してまだ調節の完全に済んでいない温度, 比湿である.

調節は,

$\displaystyle q = q^*( T,p )$ (5.2)

を満たし, かつ

$\displaystyle C_p T + L q = C_p \hat{T} + L \hat{q}$ (5.3)

となるように行なう.

Newton 法によって,

$\displaystyle T = \hat{T} + \frac{L}{C_p} \frac{ \hat{q} - q^*(\hat{T},p) } {\displaystyle 1 + \frac{L}{C_p} \DP{q^*}{T} }$ (5.4)

$\displaystyle q = \hat{q} - \frac{L}{C_p} \DP{q^*}{T} \frac{ \hat{q} - q^*(\hat{T},p) } {\displaystyle 1 + \frac{L}{C_p} \DP{q^*}{T} } .$ (5.5)

また, このときの降水量$ P$は,

$\displaystyle P = \frac{\Delta p}{g} ( \hat{q} - q ) .$ (5.6)

標準的には, これで求められた $ T,q$ $ \hat{T}, \hat{q}$ と 読み換え, さらに2回の逐次近似を行なう.


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Yasuhiro MORIKAWA 平成20年7月30日