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gt4f90io インストールガイド

動作環境

このプログラムは以下の環境での動作を確認しています.

入出力ファイル形式

gt4f90io は以下のファイル形式をサポートします.

また, 今後以下のファイル形式がサポートされるといいなと考えています.

コンパイルに必要なライブラリ

gt4f90io を利用するためには, 以下のソフトウェアを 事前にインストールしておく必要があります.

netCDF の Debian パッケージをインストールする場合は, netcdfg-dev パッケージも必要になります. (apt-get で入手できるはずです).

ドキュメントを生成するためには以下のソフトウェアを 事前にインストールしておく必要があります. ただし, gt4f90io の TGZ パッケージ から入手する場合には既に生成済みです.

コンパイルの手引き

TGZ パッケージの展開

適当な作業ディレクトリでソースアーカイブを展開します. ソースは gt4f90io-バージョン というディレクトリに展開されます.

$ tar xvzf gt4f90io-current.tgz

Fortran コンパイラの指定

環境変数 FC に使用する Fortran コンパイラを指定してください. 以下は, 利用するコンパイラが frt の場合です.

最適化やデバッグのためのオプションは環境変数 FFLAGS に設定してください. 以下は frt の高速化と 並列化のためのオプションです.

Config.mk の作成

展開されたディレクトリに移動し, ./configure を実行します. --with-netcdf= には netcdf ライブラリのパスを指定します. (以下の例は /usr/local/netcdf/lib/libnetcdf.a にライブラリがある 場合のものです). このコマンドによって Config.mk ファイルが生成されます.

$ ./configure --with-netcdf=/usr/local/netcdf/lib/libnetcdf.a

Config.mk ファイルが生成されると同時に, config.cache ファイルが作成され, オプションの情報が保持されます. 自動的に config.cache が読み込まれるため, 再度 ./configure する際は前回のオプションが引き継がれます. もしも前回以前のオプション設定を 破棄したい場合には以下のコマンドを用いてください.

$ make distclean

Debian GNU/Linux で Fujitsu Fortran を利用している場合には, Config.cache.debian-ffc* を config.cache に移動して ./configure コマンドを実行するだけで自動的に ライブラリの位置が設定されます.

$ cp Config.cache.debian-ffc5 config.cache
$ ./configure

なお, インストール先やコンパイルのオプションを変更したい場合は, 以下のように --help オプションをつけることで, 指定可能なオプションリストが表示されます.

$ ./configure --help

主なオプションに関しての説明です.

--with-netcdf=ARG
ARGコンパイルに必要なライブラリ の netCDF ライブラリを指定します. 必ず明示的に指定する必要があります.
--prefix=ARG
ARG にライブラリやモジュール, 実行ファイルのインストール先の ディレクトリのプレフィックスを指定します. デフォルトは /usr/local/gt4f90io です.
--libdir=ARG
ARG にライブラリのインストール先のディレクトリを指定します. デフォルトは /usr/local/gt4f90io/lib です.
--includedir=ARG
ARG にモジュール情報ファイルのインストール先のディレクトリ を指定します. デフォルトは /usr/local/gt4f90io/include です.
--bindir=ARG
ARG に実行ファイルのインストール先のディレクトリを指定します. デフォルトは /usr/local/gt4f90io/bin です.
--with-docdir=ARG
ARG にドキュメントファイルのインストール先を指定します. デフォルトは /usr/local/gt4f90io/doc です.
--with-fc=ARG
Fortran コンパイラを指定します. 環境変数 $FC よりも優先されます. config.cache に設定されたものを上書きする際に利用してください. (一度 config.cache に Fortran コンパイラが指定されると, 環境変数 $FC は無視されます).
--with-fflags=ARG
Fortran のデバッグや最適化のオプションを指定します. 環境変数 $FFLAGS が指定される場合, このオプションで 与えられるものも含め, 全てコンパイル時のオプションとして指定されます. (重複に注意してください).
--with-gt4libname=ARG
ARG に gt4f90io のライブラリ名を指定します. ライブラリ名は lib<ARG>.a となります. デフォルトは gt4f90io であり, その際のライブラリ名は libgt4f90io.a となります.
--with-gt4suffix=ARG
ARG にはインストールディレクトリ, ライブラリ名, 実行ファイルの末尾につける接尾語を指定します. 例えば, 他が全てデフォルトの設定で ffc5 と指定すると, インストール先のディレクトリのプレフィックスが /usr/local/gt4f90io-ffc5 , ライブラリ名が libgt4f90io-ffc5.a , インストールする実行ファイル名は gt4frt.ffc5 , gt4config.ffc5 等のように なります.
--with-lang_conform_check=ARG
ARG に言語規格を指定することで, コンパイル時に言語規格の チェックを行うよう, オプションを追加します. 現在 "95" のみ指定可能です. コンパイラによっては指定できません.
--enable-debug
このオプションを指定することで, コンパイル時や実行時にデバッグメッセージ を出力するオプションを追加します. コンパイラによっては指定できません.
--with-abort=ARG
ARGabort, errtra-setrcd, exit, setrcd, stop のいずれか を指定することで, 終了時に用いる Fortran の内部関数を変更することが 可能です. デフォルトは abort です.
abort
Fortran の内部サブルーチン abort で終了します.
errtra-setrcd
Fujitsu Fortran の ERRTRA サービスサブルーチンを呼び出し, 現在実行中のプログラム単位までのトレースバックマップを出力し, 終了します. Fujitsu Fortran の SETRCD サービスサブルーチンにて, 復帰コード 13 を設定し, 終了コードとして 3 を設定します.
exit
Fortran の内部サブルーチン exit で終了します.
setrcd
Fujitsu Fortran の SETRCD サービスサブルーチンを呼び出し, Fortran の復帰コードとして 3 を設定して終了します.
stop
Fortran の内部関数 stop で終了します.

Config.mk の編集

環境に合わせ Config.mk を手動で編集してください.

FC          : Fortran コンパイラ

SYSFFLAGS   : コンパイル時・リンク時に必要なフラグ
              (Fortran コンパイラ実行時に必要なオプション)

SYSLDFLAGS  : リンク時に必要なフラグ

SYSLDLIBS   : リンク時に必要なライブラリ

F90MODTYPE  : モジュール情報の渡し方

DEST_LIB    : gt4f90io ライブラリインストールディレクトリ

DEST_INC    : gt4f90io モジュールインストールディレクトリ

DEST_BIN    : gt4f90io 実行ファイルインストールディレクトリ

DEST_DOC    : gt4f90io ドキュメントファイルインストールディレクトリ



MODS        : モジュールファイル拡張子

AR          : アーカイブコマンド

ソースコードのコンパイル

カレントディレクトリで以下のコマンドを実行してください.

$ make

ドキュメントの生成

マニュアルとコードリファレンスのコンパイルはカレントディレクトリ において, 以下のコマンドを実行してください. gt4f90io の TGZ パッケージ から入手する場合には既に生成済みです.

$ make doc

インストールの手引き

カレントディレクトリで以下のコマンドを実行してください. システム領域にインストールする場合には管理者権限が 必要です. (デフォルトの場合はシステム領域にインストールします).

# make install

ドキュメントをインストールする場合には以下のコマンドを実行します.

# make install-doc

テストプログラム実行の手順

カレントディレクトリにおいて, 以下のコマンドを実行してください. エラーが生じずに " *** Compilation and installation are succeeded !! *** " というメッセージが表示されればインストールは完了です.

$ make test-installed