研究内容
様々な惑星や衛星の大気循環の力学を、統一的に理解することに興味を持っています。太陽系の大気を持つ天体をあるパラメータ空間上に位置付け、そのパラメータ空間内での大気循環の振る舞いの変化を数値計算により調べることで、一見まったく異なる循環構造をいくつかのパラメータの違いで説明できることがあります。そのような研究を進めるために、惑星大気の数値モデルを開発したり、数値解の挙動を説明するための理論モデルを構築・考察したりします。
また、世界有数の計算能力を誇る大型計算機「富岳」や「地球シミュレータ」で金星や火星大気の高解像度シミュレーションを実施し、得られる膨大なデータの解析処理も行なっています。 惑星大気では様々なスケールの現象が相互作用していると考えられるので、高解像度化を進めることでより現実大気に近いシミュレーションが可能になり、大気循環の理解の大きな助けになります。
一方、観測が時空間的に密な地球大気の場合とは異なり、金星や火星大気のシミュレーションでは手本として参照すべき観測データがない場合も多々あります。高解像度シミュレーションの結果が物理的に妥当なものかどうかを知るために、数値モデルの方程式系や数値解法に対する依存性をよく理解することも重要です。
主な研究テーマ
- 惑星大気大循環の数値的・理論的研究
- 惑星大気用の全球非静力学モデルの開発
- 金星・火星大気の高解像度シミュレーション