惑星大気研究会 (WTK)

惑星大気研究会とは

惑星大気研究会 (WTK) は, 惑星大気科学に関するさまざまな話題を議論する場です. 研究会とビデオ会議システムを用いたオンラインセミナーを行っています.

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次回研究会, オンラインセミナー, 関係研究集会予定

オンラインセミナー第 128 回 2025 年 8 月 20 日 (水) 15:00 - 17:00

  • 阿隈 杏珠 (東大) 「再解析データEMARSを用いた火星大気大循環力学の研究」
要旨

惑星大気のラグランジュ循環はその物質分布や気温構造を決定する重要な要素の1つである。これまで、火星大気のラグランジュ循環は大気大循環モデルや衛星の温度観測データを用いて研究が進められてきた。しかし、それらの解析期間は特定の季節のみや特定のイベントの前後に限定されたものが多く、長期間のデータに基づくクライマトロジー的描像はまだ十分解明されていない。本研究では、最近利用可能となった長期再解析データEMARSを駆使して火星大気の力学解析を行い、火星ラグランジュ循環のクライマトロジーとその維持・駆動メカニズムを明らかにすることを目的としている。ここでは、地球中層大気の解析でよく用いられるTEM系を適用して、火星大気の年平均及び各季節における東西平均した基本力学場の構造を解析した。その結果、北半球の冬の季節に、高度60~80km、北緯50~80度にかけて、地球と比べて、極めて強い北極向きの残差平均南北流(v*)が存在することがわかった。絶対角運動量分布を調べたところ、その南北勾配が緩く、強いv*が維持できる構造となっていることが分かった。この強い残差平均南北流の両端では絶対角運動量の等値線を横切る構造が見られる。そこで、この部分の循環を駆動する波強制について、潮汐波、惑星波、モデルで解像されない波の寄与について推定した。本セミナーではこれらの結果を詳しく報告する。

参考文献:Asumi et al. (2025) Climatology of the Residual Mean Circulation of the Martian Atmosphere and Contributions of Resolved and Unresolved Waves Based on a Reanalysis Dataset. J. Geophys. Res. Planet, 130, e2023JE008137.

CPS/WTK & ABC ワークショップ「系外惑星表層環境の多様性をにらんだシミュレーションミニ研究会」 2025 年 07 月 31 日 (木) 〜 08 月 01 日 (金)

話題提供者
  • 小玉貴則 (ELSI), 門屋辰太郎 (ELSI), 小長谷貴史 (JAMSTEC), 樋口太郎 (ELSI), 鎌田有紘 (ELSI), 谷口啓悟 (ELSI), 石渡正樹 (北大)
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