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gtool4/Fortran 90 リファレンス

gtool4 の変数

2000年09月18日 豊田英司


本稿では gtool4 の変数というものが現実のデータをどのようにモデル化したものなのかについて議論します。

何ができればよいか

データとはどのようなものでしょうか。私たちはデータにどのような機能を持たせるべきでしょうか。gtool4 プロジェクトを立ち上げるときに1年近く私たちは議論しました。

数理的構造を議論していくアプローチもありえますが、恣意的でない意味のある構造を見出すべき基準がはっきりしないと議論は収束しません。そこで現実的なアプローチとして、私たちがデータについてどのような操作を行っているかを列挙して、これを整理したものがデータの持つべき機能だということにしました。

そこで、データについてどのような操作が行われるかが問題となるわけです。抜き出し、統計処理などの加工ができなければならないのはもちろんのことですが、私たちは可視化に注目しました。大規模なデータの場合、人間に情報を出力するインターフェイスの大部分は可視化(2次元的なものをグラフとも言います)が担っています。数字として印字して吟味するなどということはよほどのことがない限りやらないでしょう? ですから、私たちが作っている可視化が機械的に再現できれば、データの自動処理ができたと考えることにするのです。

規則格子の場合

まず通常「格子点データ」と呼ばれているものについて考察しましょう。簡単のため例は2次元のものに限定します。

格子点データは計算機的に素朴には格子番号から値への写像であると考えられます。

data(i, j) = v,  ここで i, j は格子番号として許される値

では、2次元データは2次元配列だけから構成されるかというと、それだけではないようです。


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