= 海洋モデルミーティングログ(2015/06/17)

== 参加者(敬称略)

* 林, 中島, 竹広, 高橋, 石渡, 河合


== 進捗状況の報告(河合)


=== Rose(2015) の紹介

* http://www.gfd-dennou.org/arch/prepri/2015/kobe-u/150604_epasemi_ykawai/pub/
* 概要
  * 大気海洋氷結合モデルを用いた水惑星の気候状態の研究
    * Marshall らの一連の水惑星実験の研究(Marshall et al. 2007; Enderton et al.2009; Ferreira et al. 2011) 
      の一つに位置付けられる.
  * 得られた知見
    * 大気海洋氷結合モデルにおいて, 現在地球の太陽定数に対し 4 種類(氷なし解, 部分凍結解[cold state, Waterbelt state], 全球凍結解)
      の安定な気候状態を得た.
    * 巨大な氷冠を伴う Waterbelt state における海洋大循環の熱輸送の役割を, 海洋熱輸送を指定した自由度の少ないモデルを
    　用いて考察した. 
      * (彼らのモデルでは,)海洋大循環による熱輸送が海氷の赤道域への拡大を妨げることにより, Waterbelt state の安定な気候状態は
        実現されていると考えられる. 


=== 海氷熱力学モデル実装の取り組み

* 海氷熱力学モデルの定式化をドキュメント化した.
  * http://www.gfd-dennou.org/arch/ykawai/work/Dennou-OGCM/doc/seaice_therm/formulation/formulation.pdf
  * 数値手法はまだドキュメント化できていない.
  
* Ono(1967) を参考にして, 海氷の比熱やエンタルピーの定式化を確認した
  * 詳細は海氷熱力学モデルの定式化ノートの付録 A を参照

* Semtner(1978), Winton(2000)と同様のテスト計算を行った結果をドキュメント化した.
  *  http://www.gfd-dennou.org/arch/ykawai/work/Dennou-OGCM/model/sogcm/experiment/exp_SeaIceThermTest/Exp_SeaIceThermS78Cases.html

* テスト計算
  * Semtner (1976) で行われた数値実験のいくつかのケースを実施した. 
  * 実験設定
    * 境界条件
      * 上端: Fletcher(1965)に書かれているエネルギーフラックスのデータ
      * 底面: 海洋熱フラックス 2 [W/m^2]
    * 標準実験のパラメータ設定
      * 表面アルベド: 雪 0.8(融解中は 0.735), 氷 0.64
      * 海氷中の短波放射の透過率: 0.3
    * 感度実験
      * 海洋熱フラックス依存性
        * Fb=0,1,2,4,6 [W/m^2]
      * 海氷中の短波放射の透過率依存性
        * i0=0.085, 0.17. 0.255, 0.34
      * 年合計積雪量依存性
        * sf=20, 40, 60, 80, 100, 120 [cm]
  * 結果
    * S76 で見られたような海氷の厚さの季節サイクルを本モデルも表現できている.
    * 海洋からの熱フラックス, 海氷の短波放射の透過率, 年合計降雪量に対する海氷の厚さの依存性もまた,
      大部分の結果は S76 と定量的に同様な特徴が得られた.
    * 海洋熱フラックスが十分に大きい場合と雪層が十分に厚い場合に, 海氷の厚さの振る舞いが S76 と異なる.
      * S76 の海氷熱力学モデルとブラインの効果や雪層内の熱伝導の取り扱いが異なるからであろう.
      * 本モデルでは, 雪層の熱容量をゼロとしているため, 雪層が厚くなる場合には計算結果に注意が必要であろう.
      
* TODO
  * 数値手法のドキュメント化
  * 海洋モデルとの結合


=== 結合計算の手順についての相談

* 大気・海洋・海氷モデルの結合計算に向けて, まず海洋モデルと海氷モデルの結合を行う
* 海洋・海氷結合モデルのテスト計算の際に, 海面境界条件(入射短波放射フラックス, 入射長波放射フラックス,
  潜熱フラックス, 顕熱フラックス)をどのように与えれば良いか?
  * DCPAM を用いて, AGCM stand-alone で SST 指定の水惑星実験を行い, これらの地表面フラックスの分布を求める.
  * SST 分布は水惑星実験の先行研究(Neale and Hoskins, 2001; Hosaka et al., 1998 等)を参考にして与える. 


=== 水惑星設定における海洋大循環の数値実験

* これまでの経緯
  * 今まで行ってきた密度一様風成循環計算よりも, より Marshall et al.(2007) に近い設定で行う. 
    * 具体的には以下のことを行う. 
      * 密度一様, 軸対称の仮定を外す 
      * 中規模渦, 対流のパラメタリゼーション, 海氷モデルの導入

  * 実験シリーズ
    * [A] GM スキーム, 対流調節スキームの両方を使わない場合
      * 標準実験(EOS に UNESCO を使う)
      * EOS 依存性
      * 鉛直拡散係数依存性
    * [B] 対流調節スキームを使う場合
      * 標準実験(EOS に UNESCO を使う)
      * EOS 依存性
    * [C] GM スキームを使う場合
      * 標準実験(EOS に UNESCO を使う)
      * EOS 依存性
    * [D] 等密度面混合, GM スキーム, 対流調節スキームを使う場合 (<-- 今回新たに行った数値実験)
      * 標準実験(EOS に UNESCO を使う)
      * EOS 依存性

  * 計算結果
    * [A] - [D] の結果のまとめは, 2015-02-18 のログを参照.

* 最近行ったこと
  * 平衡状態における温位・塩分分布の特徴が M07 と異なる点(特に高中緯度の海面近くの分布)のデバッグ
    * GM スキームの Tapering function, 海面境界条件依存性をなどを確認したが,
      平衡状態において M07 と同様な海面近くの分布は得られなかった.
    * ただし, 境界条件をフラックスで与えた場合, M07 と同様な海面近くの分布が周期的に現れる.
    * この問題の原因の追求は一度やめて, 結合計算を行ったときに再確認することにする.


* TODO
  * (デバッグ中でソースコードの変更・追加, 強制分布の微調整を行ったので) [A]-[D]を再計算を行い, 
    計算結果の整理とまとめをする. 
    * その際に以下のことを追加する.
      * 熱フラックスの出力
      * エネルギー保存の程度の確認
     
  * 密度非一様設定における循環場の構造の理解
    * 順圧成分に対する運動方程式を書き, その構造について考える. 


=== 対流調節スキームの調査と導入

* TODO
  *「瞬間的な」対流調節の定式化の修正
  *「遅い」対流調節の計算結果とそれと等価な拡散方程式の数値解の比較をノートに追加する. 
  * 対流調節前後で, 温位, 塩分の鉛直コラム内での保存性を確認

=== 中規模渦パラメタリゼーション(Redi スキーム, GM スキーム) 

* TODO
  * GM スキームの解釈図を, 簡単な関形数を考えて描いてみる.
  
=== 全体的な TODO

* 大気海洋氷結合モデルによる水惑星実験の最近の研究の調査
* AGCM と海氷モデルとの結合に向けたカップッラーの調査
  * JCUP

== 次回予定日
-  7/15(水) 16:30 から


