\section{氷相を含む Relaxed Arakawa-Schubert 積雲パラメタリゼーション}

氷相を含む Relaxed Arakawa-Schubert 積雲パラメタリゼーションの定式化は,
Arakawa and Schubert (1974) および
Moorthi and Suarez (1992) を拡張することで導出する.
%また, この節では, 凝結物のエントレインメントも含む定式化について述べる.

ここでは, まず説明で用いる用語について解説し, 次に, 高度座標系での
Relaxed Arakawa-Schubert 積雲パラメタリゼーションの表現を示す.
その後に, 大循環モデルで用いる, 気圧座標系での表現を示す.

\subsection{用語について}

この文書では, 下の意味で「混合比」という用語を用いている
\footnote{
  大気科学あるいは気象学の世界では, 水蒸気量を表す単語として,
  乾燥大気密度に対する水蒸気密度の割合である「混合比」``mixing ratio'',
  $q = \rho_v / \rho_d$, と
  全大気密度に対する水蒸気密度の割合である「比湿」``specific humidity'',
  $q = \rho_v / \rho_{total}$, の
  二つがある (ここで, $\rho_v$, $\rho_d$, $\rho_{totao}$ はそれぞれ
  水蒸気密度, 乾燥大気密度, 全大気密度である).
  しかし, 雲水, 雲氷の量を表す言葉としては, 日本語には水蒸気におけるような
  使い分けが存在しないようである (英語では, 混合比は ``mixing ratio'' と
  ``specific cloud water content'' といったような二つの単語が使われている
  らしい).
  そこで, 本文書では, 「混合比」という単語を用いて, 全大気密度に対する割合,
  $q_x = \rho_x / \rho_{total}$, を表すことにする.
}.
%
\begin{align}
  q_x &= \frac{\rho_x}{\rho_{total}}
\end{align}
%
ここで, $\rho_x$ は物質 $x$ の密度であり, $\rho_{total}$ は全大気密度である.


\subsection{固液混合の扱い}
\label{sec:math:ras_with_ice:mixed_phase}

水雲と氷雲の比は下のように温度の関数であると仮定する.
%
\begin{align}
  \alpha(T) &=
  \frac{q_l}{q_l + q_i} =
  \begin{cases}
    0                          &  T < T_1          \\
    \displaystyle
    \frac{T - T_1}{T_2 - T_1}  & T_1 \le T < T_2   \\
    1                          &  T \ge T_2
  \end{cases}
\end{align}
%
ここで, $T_1 < T_2$ である.
また, これを用いて飽和水蒸気圧は下のように求める.
%
\begin{align}
  q_v^*(T) &= \alpha(T) q_{v,liq}^*(T) + \left\{ 1 - \alpha(T) \right\} q_{v,ice}^*(T)
\end{align}
%
ここで, $q_{v,liq}^*(T)$, $q_{v,ice}^*(T)$ はそれぞれ液体と固体の水の上での
飽和水蒸気圧である.


\input{cumulus/cumulus-ras-ice-math}
\newpage
\input{cumulus/cumulus-ras-ice-disc}
%\newpage
%\input{ras_with_ice-disc-uw}
