Fluid Dynamics in Earth and Planetary Sciences (FDEPS)  Second FDEPS Workshop  Dec 04 - Dec 08, 2000  Graduate School of Mathematical Sciences, University of Tokyo


English page is here

講演
海洋大循環モデリングにおける「渦」パラメタリゼーションの様々な側面
羽角 博康(東京大学気候システム研究センター)

要旨

海洋大循環モデリング、すなわち数値モデルを用いた世界海洋のシミュレーショ ンにおいて、海洋の熱的応答の時間スケール程度の計算を実行することのできる 解像度は現在のところ水平 1 度、鉛直 100 m 程度である。解像されないサブグ リッドスケールの現象に伴う輸送・混合過程は、それが海洋大循環の形成におい て重要な役割を果たすのであれば、何らかの形でパラメタライズされなければな らない。このパラメタライズされるべき「渦」運動には中規模渦から内部重力波 まで様々な時間・空間スケールを持つものが含まれ、海面混合層・海底境界層・ 内部領域での混合などそれぞれの局面において別個の取り扱いが必要となる。ま た、海洋内部においては放射・相変化・化学反応などによる熱源がほとんど存在 しないため、「渦」運動のパラメタリゼーションをいかに行なうかがモデリング の善し悪しを決定づけると言っても過言ではない。この「渦」運動のパラメタリ ゼーションに関して、現在の海洋大循環モデルで用いられている手法を概観し、 その問題点や今後の課題に関して議論する。


FDEPS スタッフ fdeps(at)gfd-dennou.org
2000/12/01 更新 (by 林 祥介)