発表の技法

はしもとじょーじ
Last Updated on 7 July, 2006.



発表の準備・心構え


発表練習の心得

(柴田直樹さんの文章に はしもとが加筆)
  1. 発表者は原稿を書いてくること
     アドリブだとやる度に話が変わってしまい、変更点(注意点)が活かされないことが多い.内容を吟味する上でも、時間通りに話がまとまっているかをチェックする上でも、初心者は原稿を書くべきである.ちなみに名大では原稿がない人は発表練習を見てもらえなかった.練習では原稿は必須、本番は原稿を読まない.原稿の長さは2400字/10分を目安とする.

  2. 自分の研究の意義、主眼、課題を限定する
     自分の話で何を言いたいのか、要点を洗い出しランクを付ける.話の流れを考えて(たとえ苦労した点でも)不必要だと思われる題材は削除する.その上で論理構成を考えて、話の順番を決める.一般に苦労話はしない方がすっきりした発表になる.また、研究をおこなった時系列に沿って発表すると、うまくいかないことが多い.スライドの枚数は7〜8枚/10分を目安とする.

  3. イントロに時間を十分費やす
     1/4−則:「序論」「研究方法」「結果」「議論(考察)」に時間を均等配分.
    研究分野が多角化している今日においてはイントロに1/3をかけても良い.イントロは聴いている人全員が100%理解できるように作る(詳細はわからなくても、学問上の意義はわからせる必要がある).イントロは研究分野の紹介(基礎的知識の提供)、研究目的、意義、話の構成等、雑多な内容を述べなくてはならないので、特に話しの組み立てに注意する.

  4. 一つのスライドには一つのテーマ
     各スライドでは必ず言いたいことがあるはずである(無ければそのスライドは必要ない).余分な説明はかえって混乱を引き起こすので、各スライドで一番言いたい点を、論理的に整理し説明する.各スライドのポイントが全体の流れに沿っているかチェックする.各スライドの行数は10行程度を目安とする.また、説明をしないことは基本的に書かない.

  5. 図の説明は大局から詳細へ、図にはタイトルを付ける
     図を見せるとき、最初に「何の図」であるかを述べる.それから図の詳細に入っていく.縦軸・横軸の説明は必ずすること.またその図で説明したいことを明示したタイトルを付ける.

  6. 発表練習は本番と同じ条件でおこなう
     テクニカルな議論は一通り発表を終わらせてからおこなう.でないと、話の大局を見失ってしまう.発表が一通り済んでから、スライドを一枚一枚吟味していく.




George L. HASHIMOTO