=== GFD オンラインセミナー 第 11 回 * 日時: 2023 年 2 月 9 日 (木) 15:30 - 17:30 * 話題提供者とタイトル 堀田 英之 (千葉大学大学院理学研究院) 「高解像シミュレーションで迫る太陽赤道加速の謎」 * 要旨: 太陽には、差動回転があることが知られており、赤道が速く極が遅く自転している。現在では、日震学を用いることにより、太陽内部までも精密に観測されている。この差動回転は、太陽対流層の乱流によって維持されていると考えられている。乱流が自転の影響を受け、角運動量を運ぶことにより大規模な流れを形成するというシナリオである。しかし、最近の高解像度シミュレーションでは、この赤道が速く極が遅いという差動回転が再現できなくなってしまった。この問題は「熱対流の難問」と呼ばれる太陽物理学の大問題の一部である。我々は、富岳を用いた高解像度シミュレーションを実施することにより、この問題を解決した。計算では、高解像度化により磁場の散逸が抑えられ、乱流のエネルギーを超えるようになった。その結果として、磁場による角運動量が支配的となり、赤道が速いような差動回転を再現することができた。