2007/10/24 の dcmodel ネットミーティングのメモ書き

参加者

  • 小高 正嗣, 高橋 芳幸, 山下 達也, 徳永 義哉, 土屋 貴志, 森川 靖大, 石渡 正樹, 佐々木洋平,

    (順不同, 敬称略)

次回日程

  • 日時
    • 10 月 31 日(水) 13:30 - 17:00
  • 場所
    • 神戸: 自然科学 3 号館 508
    • 北大: 理学部 8 号館 8-2-01 (コスモスタジオ)
    • 九大: 謎

引用例で挙げられるプロジェクト名がページによって異なっている問題

  • dcmodel プロジェクトと gtool4 プロジェクトと同様に davis プロジェクトのプロジェクト名も変更する予定. davis プロジェクトの使用上の注意も作成する予定 (石渡)
  • dcmodel プロジェクトと gtool4 プロジェクトの中身の整理 (石渡) 「gtool4 とは」はあるけど, 「dcmodel とは」がないなどの 不整合を整理する.

DCPAM プロジェクト活動報告

DCPAM プロジェクトの Web ページ整備 (森川)

  • DCPAM プロジェクトのトップページを書き換える.
    • 現在の DCPAM のトップページにおいて, 計算結果へのリンクが資源という項目の中に 入っているが, 計算結果を大項目として独立させる.

dcpam4 モデル開発 (森川)

  • 降水量などの時間平均値を出力できるように修正を行う.

dcpam4 のモデルドキュメント作成 (森川)

  • ドキュメントの移行もこれから
    • ソースコードを直接いじらないレベルのユーザ用ドキュメント 『ごくらく DCPAM』の作成
    • ソースコードをいじるレベルのユーザ用ドキュメント 『らくらく DCPAM』の作成
    • 数理ドキュメント, 離散化ドキュメントは dcpam3 から単純移植予定.
      • 数理ドキュメントはコードに合わせた式にした方が良いか?? (DCPAM は U = u cos φ を使ってない, とか).
    • AGCM5 の『コード解説』に関してもコード内の変数を入れ替えて 移植する. ディレクトリ名は code_description (仮).
  • これまでできたソースコード, プログラム構造, ドキュメントのチェック (石渡)

dcpam4 による実験 (森川)

水惑星実験で AGCM5 と比較

  • 計算設定
    • SX を用いて, AGCM5 と dcpam4 とを同じ設定で動かし, 結果と実行速度を比較する.
      • まずは並列化でジタバタする前に, シングル CPU で動かす.
    • 積雲パラメタリゼーションとして 対流調節スキームを用いる. (AGCM5 では Mkinclude を編集して nonstd/p2cuma.F を用いるようにする).
    • 解像度は T21L16
    • 積分時間は 500 日
    • Δt は AGCM5 と dcpam4 とで同じにする
    • セミインプリシットスキームを使う
    • ヒストリデータの出力間隔は 0-100 日, 450-500 日に関しては 1 日おき, その他は 10 日おき. データは /GFD_Dennou_Work[3]/morikawa 以下に置く.
    • 出力変数は
      • 東西風, 南北風, 温度, 鉛直流(ソースコード要変更), 比湿, 加熱率分布 (DLscTempDt + DLscTempDt, DRadLTempDt, DRadSTempDt), 降水量 (Rain), 蒸発量 (DVerdiffQVapDt), 放射 (RadLFlux, RAdSFlux), 顕熱 (DVerdiffTempDt), 負の水蒸気除去量 (DNegQVapDt)
  • 計算結果
    • 計算速度は 1/2 弱.
      • これからプロファイラによるチェックを行う.
    • 上記のデータに関して, それぞれ 450-500 日の平均値を描く.
      • dcpam の計算例の領域に置く.
      • 修正すべき点
        • moistning を moistening に修正
        • surface stress を sigma=1 の断面にする
        • それぞれの図に関して, dcpam4 と agcm5 で色の付け方と contour 間隔を揃える
        • (優先度低) 縦軸の名称を sigma にするように描画プログラムを書き換える.
      • さらに描画すべき量
        • 全球平均降水量の時系列 (0-500 日)
        • 全球平均蒸発量 (Latent Heat Flux) の時系列 (0-500 日)
        • 全球平均 OLR の時系列 (0-500 日)
        • 全球平均 Ps の時系列 (0-500 日)
        • 全球平均顕熱フラックス (Sensible Heat Flux) の時系列 (0-500 日)
        • 全球平均地表面正味長波放射フラックス (Surface Long Wave) の時系列 (0-500 日)
        • 東西平均地表面蒸発量の 450 -500 日平均
        • 東西平均 OLR の 450 -500 日平均
        • 東西平均の顕熱フラックス (Sensible Heat Flux) 450 -500 日平均
        • 東西平均地表面正味長波放射フラックス (Surface Long Wave) 450 -500 日平均
        • 東西平均地表面正味短波放射フラックス (Surface Short Wave) 450 -500 日平均
        • 東西平均大気上端正味短波放射フラックス (Short Wave) 450 -500 日平均

今後の実験リスト (主に dcpam4 の動作試験としてのもの)

  • 水惑星実験で AGCM5 と結果を比較する
    • 東西平均場の比較
      • 東西風, 南北風, 温度, 温位, 鉛直流, 比湿, 加熱率分布 , 降水量, 蒸発量, 放射, 顕熱
    • 全球収支の比較
      • 質量 (地表面気圧), 水 (降水量, 蒸発量), エネルギー (放射, 凝結)
    • 波の活動度
      • Held and Suarez (1994) の Fig3, Fig4 を参照のこと.
      • 赤道の x-t ダイアグラム
  • Held and Suarez (1994) の論文に載っている絵と同じもの を書いてみて波の活動度を調べるについて調べる.
  • 地形を入れて計算してみる.
    • 余田グループの業績をチェックする.
    • Held and Suarez に地形を入れた計算を行った論文があるかも.
      • 高橋さんの調査では発見できなかった. 存在するかどうか もう少し調査が必要.
  • それっぽい地球を動かす
    • 観測に基づく SST
    • 地形がある
    • 陸面過程がある
    • 水蒸気, オゾン, 二酸化炭素の吸収射出を考慮した簡単放射
      • 雲の放射も適当に考慮できるとよいだろう

dcpam3 での計算時のエラーに関して (石渡)

計算していて地表面気圧がどんどん増えてしまう問題に関しては 調査を継続中. 目星はついてきた.

今後は, これまで dcpam3 に導入してきた物理過程を dcpam4 に導入して チェックする.

gtool4 netCDF 規約の CF 規約に対する位置づけに関して (石渡)

gtool4 netCDF 規約再検討北大メンバーミーティング ( 1, 2, 3 ) にて議論が中途半端になっている, gtool4 規約の今後について一応の方針を ちゃんと決める.

なお, 最近 (とはいえ既に昨年秋だが), CF 規約の White paper が公開されており, CF 規約のホームページ も新しくなっている. これらをチェックすべきかどうかも要検討.

現在, CF 規約の bounds について調査開始 (gt_calc_weight の代替になり得 るか? など)

gtool4 netCDF 規約の「引用文献」の CF 規約へのリンクの修正 (石渡)

CF 規約へのリンクを修正した.

dcrtm

報告事項

  • 徳永さんの放射伝達の勉強を継続中.
    • Houghton の教科書第4章と第6章

Todo:

  • 大気放射関連の理論マニュアルがあるかどうか確認

覚書

  • データが集まった時点で, 何種類の吸収成分気体(バンド) を考慮すべきか, 検討する
    • まずは可能な限り考慮する, でよいが, とある時点でバンドの 取捨選択をしないとたぶん計算できないモデルになってしまうだろう.
  • Appleby and Hogan (1984) の再計算は年度内にできてないと後々困る. (しかし, 放射のインターフェース (deepconv や dcpam などの メインプログラムとのデータのやり取りの仕方) の検討も必要なので, 大変)

deepconv

  • 並列化
  • 3 次元化 (小高)
    • Odaka et al. (1998) の設定を与えた火星乾燥対流の計算を継続中
      • dx=dy=200m, dz=100m とした計算 (気象学会で示した計算) を 平衡状態に達するまで継続
      • dx=dy=dz=100m に設定した計算を行う
    • 音波計算部分のコードの整理終了
  • 凝結成分の種類をもう少し簡単に変更できるように改良を始めた.
    • 目標は地球版よ木星版の実行プログラムをプリプロセッサを使って 単一のメインプログラムから作成すること
    • NH4SH の反応に関係するサブルーチンの整理を始めた
  • インストール手引きの改訂
    • 冒頭の履歴情報を表示しないようにする
      • Makefile.rd2html を最新版に更新
    • LAPACK, BLAS, netCDF, gtool4 等が必要であることを明示する
      • これらのパッケージのインストール手引きへのリンクがあるとよい
      • debian パッケージがあれば, それらの入手先も記述しておく
    • configure の BLAS を指定するオプションの誤りを修正
    • ifc9.0 で動作させるために必要なソースコードの改変箇所を記述した 手引の作成
  • ifc9.0 でコンパイル時に生じたエラーへの対処
    • エラーを起こしたプログラム/モジュール

  * xyz_bc_module

  • xyz_module
  • xyz_deriv_module
  • xyz_deriv_c4_module
  • gridset_3d
  • chemdata
  • エラーは, use 文内で rename を用いている場所と, 引用した module の公開要素をカスケード公開している場所 で生じている
  • とりあえず, カスケード公開している公開要素は, 最初にその要素 が定義されているモジュールから直接引用するようにして, エラーを回避した.
  • 対策:
    • ソースコードレベルでは対応しない
    • ifc9.0 で動作させるために必要なソースコードの改変箇所を記述した 手引を別途用意しておく
  • 山下氏がテスト計算を行った
    • 他のテスト計算についても順次行う予定.

dcmodel コーディングルールの修正

「リスタートファイルとヒストリーファイル」の 「ヒストリーファイル」に以下の記述を追記 (石渡)

平均値を計算する際に座標重みを必要とする数値データの場合には, 座標重
みのデータも各ヒストリーファイルに格納することを推奨する.

この際, 実際に netCDF ファイルにどのように座標重みを格納するかについても 記述する. これに伴い, これまでの gtool4 規約において gt_calc_weight として 使用されていた座標重み指定のための属性を CF 規約 bounds に置き換えることが 可能かどうかを調査する. (石渡)

初期値生成コードの管理について

  • 下記のような実装を dcpam4 において行った. これに関する解説文書をまずは dcpam4 の「らくらく dcpam4 」に まとめる予定である. (その後, dcmodel プログラミングガイドライン へと移動する予定.) とりあえずらくらく dcpam4 に文書をまとめるまで下記文書は ここに残しておく.
  • 長期 RUN 用実行プログラムは「お試し Run」できるように, 内部で 初期値を生成できるようにしておく.
  • 本当に数値実験を行う際にわざわざ長期 RUN 用実行プログラムを改変 しなくて済むよう, 初期値生成用実行プログラムは別途用意しておく.
  • ただし完全に別々に RUN 用ファイルと, 初期値生成用ファイルを メンテナンスする場合, 実際に初期値を生成するコードを「2 度書き」 せねばならず, 開発者のストレスが溜まる (deepconv 開発の経験)
  • 現状の折衷案 (とりあえずこれで試行錯誤してみる)
    • 初期値生成「モジュール」を用意し, 実際に初期値を生成するコードは そのモジュールでくるんでおく. 別途, 初期値生成のみのための実行プログラム, 長期 RUN 用実行プログラムは用意する. それらの実行プログラムは初期値 生成モジュールを参照し, データを作成する.

      ┌─ initital_data.f90 ─────────────────
      |
      |  module initial_data
      |  
      |    subroutine InitialDataCreate( ....)
      |    
      |      初期値生成コード
      |      
      |    end subroutine InitialDataCreate
      |    
      |
      |  end module initial_data
      |
      └──────────────────
      
      ┌─ init_sample.f90 ─────────────────
      |
      |  program init
      |    use initial_data
      |    
      |    call InitialDataCreate(...)
      |    
      |  end program init
      |
      └──────────────────
    • RUN 用プログラムは「おためし RUN」可能なように, 初期値生成モジュールを use してサブルーチンを実行する.

      結果的に, 「おためし RUN」の際には, RUN 用ファイルは一度初期値ファ イルを書き出し, それを実行ファイルで読み込むことになる.

      ┌─ run.f90 ─────────────────
      |
      |  program run
      |    use initial_data
      |    
      |    call InitialDataCreate(...)
      |    
      |    
      |    do ....
      |    
      |      長期 RUN
      |    
      |    end do
      |    
      |  end program run
      |
      └──────────────────

spml の wa_module から rn, irm を参照する問題

  • 作業担当者: 佐々木

wa_module.f90 に以下の行を足してコミットした.

public :: rn, irm

マイナーバージョンを上げて, リリースした.

spml における配列添字を 1 からではなく 0 から始めることへの修正

spml のコード管理について

  • 現状
    • 公開版ソースコード (tgz ファイル, deb ファイル) の 作成手順を確定し, 手引きを作成した.
  • ToDo (佐々木)
    • Debian パッケージおよびその手引きの作成中

電脳 debian パッケージの公開方法について

  • 現状
    • apt-line において stable と記述されている
      • 電脳サーバでは stable は sarge へのリンクのまま
  • 改正案
    • apt-line においてはコードネームを記述することにする
    • gtool4 などのインストール手引きにおいて stable と記述されているものを すべてコードネーム (現在は sarge) に変更する.
  • 上記を dcdvelop で諮る (佐々木)

モデル開発してて面倒と感じることいろいろ

以下の, 日頃作業する際に調べる面倒だなぁ, と思う事柄に関して, dcmodel のページから 1 ホップぐらいで手繰れるところに, 必要最低限の資料を作成 する. (杉山)

  • cvs commit が面倒
    • (面倒) コマンドをすっかり忘れているので, わざわざいちいち調べなけ ればならない (コミットするのが億劫になる). 調べる情報も dcmodel プロジェクトの奥のほうにあったりして調べる作業も鬱陶しい.
      • 調べるものの例
        • cvs のタグの貼り方どうだっけ??
        • cvs のコミットどうするんだっけ?? なんかルールもあったような??
    • (対応策) 杉山氏が, 自分で cvs コミットの際に必要な情報を dcmodel ページの上の方 (検索しやすい位置) に作ってみる.
  • ソースの公開版の更新が面倒
    • 作業そのものはだいぶ簡素化されている (タグが書き込まれているファイル を書き換え, あるディレクトリで make するだけ).
    • やり方が流布されれば OK ??
  • gt4f90io の開発についていけない
    • (面倒) なんかいろいろ開発してるらしいが, ついていけん.
    • (解決策??) 基本的には History 系 (もうそんなに仕様変更されないことが 期待される) のみは追うけれども, 最近作っている目新しいツールは 無理して追いかけない. (面白そうならその時に聞く).

動画の作成方法に関して

元々は, 2007 年 惑星科学会秋季講演会において, 石渡さんが, 「動画を作成するのはどうしたらよいの??」といったことに端を発した事案.

できるだけお手軽に動画を作れる (かつ, その動画が Web ブラウザで見れ, かつ難なく PowerPoint に張り込める) 手法を共有できると嬉しい.

最近近傍の人が試した手法としては以下が挙げられる. (他にもあるかも).

  • GIF アニメ
    • ppt 上で動画再生できないことがある(原因不明)
  • MPEG (石渡)
    • ppt 上では, Windows Media Player を起動して再生
    • HTML に張り付けるときには FLV のように「再生」「停止」 ボタンを表示できるかどうかはよくわからない
  • FLV (土屋, 杉山)
    • ppt にはそのまま張り付けることができない.
      • ppt で FLV を動かすためのプラグインを入れなくてはならない

画質については目的に応じて個別に判断するしかない. MPEG, FLV については作成時に工夫する必要があるかもしれない.

とりあえず, これまでの各人の経験をまとめたメモを作成して おく (高橋). それをどこに格納して公開するかは追って相談.