計算科学技術活用型特定研究開発推進事業(短期集中型) 研究開発実施計画書 特定分野 地球・宇宙観測分野 研究開発課題 地球惑星流体現象を念頭においた 多次元数値データの構造化  平成11年4月16日 研究代表者氏名 林 祥介 代表研究者所属機関 北海道大学理学研究科 【研究開発計画】 この研究開発では, 我々の研究グループがこれまで構築してきた数値モ デル(AGCM5等)とデータ処理可視化ツール(DCL+GTOOL)などの既存の資源 について, その問題点の整理・検討をおこなった上で, 多次元数値デー タ構造に関する設計・実装実験をおこなうものである. 本研究開発は, これらDCL・GTOOL・AGCM等の開発・研究活動同様, 全国 4箇所の大学(北大・東大・京大・九大)を中心としたネットワーク上 に分散する多数の関係者によっておこなわれる. 【1. 研究統括(北海道大学)】 * 研究の全体計画の立案を行い統括する. * GTOOLとして実装されるべきデータ構造の抽象的設計を行う. 【2. 既存DCL・GTOOLの再整理と問題検討(京都大学)】 * 新しいGTOOLへ向かうための既存資源再整理作業を統括する. * ソースコードを見直し, Fortran/C の範囲内において改善可能な問題点を補正する. * オンライン化のためのドキュメント構造検討をおこない, HTML化を実行する. * 業者によるドキュメントのHTML化および英語化の実施監督をおこなう. * 既存資源のプログラム構造を検討し, オブジェクト指向な設計によっ て解決されるべき問題点を整理する. 【3. 新しいGTOOLに向けたデータ構造の設計(観測データ)(北海道大学・九州大学)】 * オブジェクト指向スクリプト言語(Python/Ruby)の言語特性の検討を行 う. 特に, 配列計算の実行性能に留意する. * オブジェクト指向スクリプト言語によるデータ入出力インターフェー スの実装方法を検討する. * データ可視化の方法を検討する. * オブジェクト指向スクリプト言語を介した可視化ツールの試作を行う. 【4. 新しいGTOOLに向けたデータ構造の設計(数値計算データ)(東京大学)】 * 数値計算データとして持つべき属性を検討する. * 計算機科学的視点からの検討および材料工学で得られた知見との比較・ 応用を行い, 具体的なデータ構造の設計を行う. * 数値計算ソフトウェアとGTOOL間のインターフェースの検討を行う. 【5. 新しいGTOOLのプログラム実装実験(京都大学・北海道大学・九州大学)】 * 新しいGTOOLの実装実験を統括し, 業者による作業の実施監督をおこなう. * AGCM5をはじめとする各種既存地球流体数値モデルにおいて, それら のデータ出力方法の実装試験を行う. * GTOOLユーザーインターフェースを検討し, 試作する. * 旧DCL・GTOOLを用いている数値モデルにおける新旧互換性を検討する.