エクマン境界層のシミュレーション

豊田英司 toyoda@ms.u-tokyo.ac.jp


基礎方程式

ここでは海洋表面のエクマン境界層のつもりで、 以下のようなシステムをシミュレートしています。

(∂u/∂t) = fv + ν(∂2u/∂z2)
(∂v/∂t) = -fu + ν(∂2v/∂z2)
ここで (u(z), v(z)) は流速、f はコリオリパラメータ、νは粘性係数です。 流速が赤い線でプロットされます。

差分スキーム

鉛直方向の微分は中心差分、時間発展は前進差分で解いています。

境界条件

下側については格子数 N、格子間隔 Δz としたとき

下端 (z = -NΔz) で流れがない (u = v = 0)
ですが、上側については の3通りから選べます。 「しばらく」とは config ウィンドウで指定する impulse length 回の 時間ステップが経過するまでです。 ([indicial] = チェック, [stress] = チェック) が動作しないのはバグです。

このほかのボタン・チェックボックスの意味

[config]
パラメタを変更するダイヤログを開きます。
[clear]
流速場を 0 でクリアします。
[90]
真上から見下ろしたイメージを描画します。
[30]
斜め上から見下ろしたイメージを描画します。
[2]
ほぼ真横から見たイメージを描画します。
[rotate]
チェックされている場合は、座標系を f で回転させて見せます。 これは慣性系からみてちょうど地球と逆向きで同じ角速度で 回転している座標から見た場合にあたります。

ありがちな使い方

インパルス応答の観察

  1. 最初は [rotate] がチェックされているので、 x 軸が真横になる時をみはからって止めます。
  2. [stress] をチェックします。[indicial] はチェックしないでください。
  3. [impulse] を押してください。インパルス応答が観察されます。 真上から見ていると -f の角速度で回転している鉛直面内に閉じ込められていることがわかります。 水平方向から見ていると鉛直構造がわからないではありませんが、 真っ正面に来たときにみかけの振幅が 0 になるように振動して見えるので [rotate] をチェックしたほうが鉛直構造の観察にはむいています。 この場合は x 軸が真横になるときを見計らって [impulse] ボタンを押してください。
  4. 不都合な形状になったら [clear] で消すことができます。 ただし [indicial] がチェックされていると元の木阿弥となります。

インディシャル応答の観察

  1. [indicial] をチェックして [stress] のチェックを外してください。
  2. 適当なところで [impulse] を押してください。 [rotate] している場合はホドグラムをインパルス応答の積分としてとらえる見方を 可視かしている場合にあたるでしょう。 [rotate] していない場合はホドグラムの時間発展を追うことができます。

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