= 海洋モデルミーティングログ(2014/12/17) == 参加者(敬称略) * 林, 中島, 竹広, 高橋, 石渡, 河合 == 進捗状況の報告(河合) === 対流パラメーターリゼーションの調査と導入 * 論文の調査 * [A] Cox(1984), Madec et al(1991) * GCM の 1 タイムステップの間に静的不安定を解消させる. * [B] Klinger et al.(1996) * 対流の時間スケールを考慮し, [A] の対流調節より「ゆっくり」静的不安定を解消させる. * [C] Paluszkiewicz et al.(1997) * [A], [B] の対流調節に比べより現象に基づいた対流パラメタリゼーション. * 大気モデルの積雲パラメタリゼーション(Turner, 1973; Deardorff and Willis(1985) のアイデアを海洋の対流パラメタリゼーションに適用した. * 対流パラメタリゼーションの導入 * 対流過程の表現は [C] が最も良さそうだが, フリーパラメーターが多くまた計算量も多い. * Marshall et al. (2007) などの水惑星実験で使われた対流パラメタリゼーションは, [A], [B] ぐらいの精巧さの対流の表現であるので, [A], [B] の対流パラメタリゼーションを導入した. === 水惑星設定における海洋大循環の数値実験 * 今まで行ってきた密度一様風成循環計算よりも, より Marshall et al.(2007) に近い設定で行う. * 具体的には以下のことを行う. * 密度一様, 軸対称の仮定を外す * 中規模渦, 対流のパラメタリゼーション, 海氷モデルの導入 * 密度非一様軸対称計算(中規模渦, 対流パラメタリゼーションあり) * 前回示した密度非一様計算との違い * 小さな鉛直渦拡散係数に変更(M07 と同じ, Kv=3x10-5[m2/s]に設定) * 海面強制の緩和時間を海洋大循環計算でよく使われる値に変更(1000 日から数十日へ) * 対流パラメタリゼーションの導入. * 状態方程式を二次の多項式に変更. * 境界条件の指定 * 海面 * M07 の数値実験の結果を参考に, 海面の応力, 温度, 塩分を指定する. * 温度/塩分はある固定値にニュートン緩和させる. * 海底 * 滑りなし, 断熱 * 数値実験シリーズ * [A] 標準実験 * [B] 混合の表現法の依存性(水平ラプラシアン, GM スキーム) * [C] 海面強制の緩和時間依存性 * [D] 3 次元コードのチェック * 計算結果から分かったこと * 鉛直渦拡散係数を小さくした結果, M07 のように水深 1000 m 付近に躍層が生じるようになった. * 混合の表現として水平ラプラシアンを使った場合には躍層の構造が明瞭でなくなり, Smith et al.(2006) で見られたように, 表層の水平分布がより深部までおよぶ. * 3 次元コードのチェック * 軸対称設定で 3 次元コードを走らせ, 軸対称計算コードと同じ結果が得られるかを確認した. * 結果 * 両者の計算結果が図の等値線に違い生じる程度に異なる(例えば, 時間積分 44 年後の塩分場は 10^-3 [%] 程度異なる). * ボーラス速度, 残差循環等を出力できるようにした. * ただし, 対流調節後の場の微分をスペクトル法で求めると, ノイズが目立つ. * 鉛直方向にも超粘性を入れるなどして, 対流調節後の分布をならす必要があるかもしれない. * TODO(宿題) * 密度非一様計算の実験シリーズの再構築,計算結果の整理 * 計算結果の比較が正しく行えるように実験シリーズを再構築し, 再計算する. * GM スキーム, 対流調節スキームの両方を使わない場合 * EOS 依存性 * 鉛直拡散係数依存性 * 対流調節スキームを使う場合 * UNESCO (余裕があれば EOS 依存性) (* GM スキームを使う場合) (* EOS 依存性) * GM スキーム, 対流調節スキームの両方を使う場合 * UNESCO (余裕があれば EOS 依存性) * 3 次元コードのチェック * 対流調節スキーム * ノートの作成 * 対流調節に伴う加熱分布, 対流インデックスの出力 * 対流調節前後で, 温位, 塩分の鉛直コラム内での保存性を確認 * GM スキーム * GM スキームの海面, 海底近傍での取り扱いを再考する * 密度非一様設定における循環場の構造の理解 * 順圧成分に対する運動方程式を書き, その構造について考える. * 物理過程の実装に向けた論文の調査と読解 * 海氷モデル: Winton(2000) === 中規模渦パラメタリゼーション(Redi スキーム, GM スキーム) の説明 * 記述を付け足した. - 拡散係数テンソルの記述の追加 - GM スキームによって成される有効位置エネルギーの解放を説明する模式図を追加 * TODO(宿題) - 記述が完結していない部分(拡散係数の決め方)を完成させる. - GM スキームの解釈図を, 簡単な関形数を考えて描いてみる. === 全体的な TODO * 大気海洋氷結合モデルによる水惑星実験の最近の研究の調査 * AGCM との結合に向けた, カップッラーの調査 == 次回予定日 - 1/21(水) 15:00 から