= 海洋モデルミーティングログ(2014/11/17) == 参加者(敬称略) * 林, 中島, 竹広, 高橋, 石渡, 河合 == 進捗状況の報告(河合) === 研究の現在位置の確認 * 大きな目標: 海洋の運動を考慮した水惑星実験を行う. * その数値実験に必要な海洋モデルを開発している * 力学部分は完成. 現在, 物理過程の導入を始めた. * デバッグと水惑星の海洋大循環の特徴の把握のために, Marshall et al.(2006) の 水惑星実験の結果を海面強制として与えてテスト計算を実施 * 1. 密度一様設定 * 解析的に求めた漸近級数解を使って数値解の妥当性を調べた. * 赤道近傍のスケールの小さい構造もまた議論した. * 2. 密度非一様設定 <= 現在位置 * 7 月のミーティングの時に決めた方針 * 本来の目的に近い(複雑な)系の設定による, 海洋大循環の数値実験を先に行う. * その結果に問題があったり理解を深めたい場合は, 個別の問題に立ち戻って, 簡単設定の数値実験を行い, その結果を考察することにする. === 水惑星設定における海洋大循環の数値実験 * 今まで行ってきた密度一様風成循環計算よりも, より M06 に近い設定で行う. * 具体的には以下のことを行う. * 密度一様, 軸対称の仮定を外す * 中規模渦, 対流のパラメタリゼーション, 海氷モデルの導入 * まず, 密度一様の仮定を取り除き, また中規模渦パラメタリゼーション (Gent and McWilliams, 1990)の導入を行った. * 境界条件の指定 * 海面 * Marshall et al.(2007) の数値実験の結果を参考に, 海面の応力, 温度, 塩分を指定する. * 温度/塩分はある固定値にニュートン緩和させる. * ここでは, 緩和時間を 1000 日に設定した. * 海底 * 滑りなし, 断熱 * 数値実験シリーズ * [A] 標準実験: Ah=Kh=1e4 [m2/s], Av=Kv=1e-2 [m2/s] * [B] 水平渦拡散係数依存性: Ah=Kh=1e3,1e4,1e5 [m2/s] * [C] プラントル数依存性: Pr=1,10 * [D] 中規模渦パラメタリゼーションの効果の検証 * 計算結果から分かったこと * M06 と比べ, 温度・塩分の海面分布が深部まで達し過ぎている. * Kv の値が海洋大循環の数値実験でよく使われる値より大きすぎるため(2,3 桁) * 鉛直拡散係数を小さくする([C])と, 静的不安定な高緯度域で振幅の大きな波が発生し場が乱れる. * 対流パラメタリゼーションの導入が必要. * TODO(宿題) * 密度非一様設定における循環場の構造の理解 * 順圧成分に対する運動方程式を書き, その構造について考える. * 対流パラメタリゼーションの導入 * 海面緩和型境界条件における緩和時間依存性を確認 * 小さな鉛直渦拡散係数を使って計算(Kv~10-4,10-5[m2/s]) * 三次元計算 * 中規模渦パラメタリゼーション(GM スキーム)における, ボーラス速度を出力できるようにする * 流線関数を求め, 残差循環の図を書く. * 物理過程の実装に向けた論文の調査と読解 * 対流パラメタリゼーション: Klinger et al.(1996), Paluszkiewicz et al.(1997) * 海氷モデル: Winton(2000) === 中規模渦パラメタリゼーション(Redi スキーム, GM スキーム) の説明 * Vallis(2006) 等をもとに, 中規模渦パラメタリゼーションによってトレサーの時間発展式に加わる - 等密度面混合を表現する項 (\nabla \cdot (\kappa_rho \tau )) - ボーラス速度(v*)による移流を表現する項 (\nabla \cdot (v* \tau)) の導出とそれらの項の定性的な意味についてまとめた. * TODO(宿題) - 記述が完結していない部分を完成させる. - GM スキームによって成される有効位置エネルギーの解放を説明する模式図(Vallis の図を引用) に Skew フラックスを書き足し, 密度場, ボーラス速度, Skew フラックスの対応を理解する. === 全体的な TODO * 大気海洋氷結合モデルによる水惑星実験の最近の研究の調査 * AGCM との結合に向けた, カップッラーの調査 == 次回予定日 - 12/17(水) 15:00 から