= 海洋モデルミーティングログ(2014/05/28) == 参加者(敬称略) * 林, 中島, 竹広, 高橋, 石渡, 河合 == 進捗状況の報告(河合) === 軸対称風成循環の数値計算 * 計算結果の検証 * 方法 * beta 面上の流体層において, 東西一様な海面応力により駆動される循環を, 地球流体力学の枠組みで定式化(詳細は以下参照)し, 線形解を解析的に求める. * その *解析解* を数値解と比較し, 数値解の妥当性を調べる. * 結果 * 赤道近傍以外における, 循環の数値解と解析解の比較の図を示した. * 両者はよく一致している. * 数値解の解析解からのずれを確認して, 循環を表現するために必要な解像度を 確認した. * 水平構造: (赤道近傍以外では) T42 程度あれば十分に両者は一致する. * 鉛直構造: L60 程度あれば十分に表現できる. * TODO * 今回, プレゼンテーション資料としてまとめてきた話をドキュメント化する. * 子午面循環の数値解と解析解の比較を追加する. * 赤道近傍の循環の定式化を完了したので, 赤道近傍の循環に対しても同様の比較を行う. * 10000 日ぐらいから生じるノイズの原因について * 温位や静的安定度の分布の時間発展を確認した. * 鉛直拡散+子午面循環の移流により, 温位が一様化するが, 9000 日ぐらいまでは, (初期条件の成層場が維持されて)内部領域では静的安定度が大きく, 上下端で断熱境界条件のために静的安定度が小さい(一部では負). * 鉛直拡散や移流の時間スケールに達すると, 内部領域の静的安定度はかなり小さくなり, 静的安定度が負の領域が生じる. * 原因についての考察 * ノイズと思っていたのは, 成層が不安定になったために生じた(静力学モデルの中で表される)対流(?)ではないか?  * TODO * 静的安定度の計算をもう一度確認した後に, 鉛直速度のオーダーを計算してみる. * 対流調節の導入に向けて, 論文や海洋モデルの定式化ドキュメントを調査する. === 軸対称風成循環の力学の定式化 * 赤道以外: Pedlosky (1987) を参考に定式化をした. * 上端・下端 * エクマン解 * 内部領域 * 準地衡流理論 * O(1) : 地衡流バランス * 東西方向の一様性のために, 南北流は *ゼロ* * O(Ro) : O(1) の流れに対するポテンシャル渦度方程式 * 惑星渦度の南北移流は存在しない. * 定常状態では, (水平粘性を無視すれば) エクマン層を介した 海面応力による渦度の注入(上端)と渦度の消滅(下端) の効果がバランスする. * 赤道近く: 赤道境界層や赤道潜流の定式化(Gill, 1971; Dowden 1972 など) を参考 * 数値モデルの実装に合わせて, 赤道近くにおいて水平拡散項が力学的バランスを担うモデル を考えた. * 得られる解 * 順圧成分 * 赤道境界層の端における順圧流速が, 南北に一様に分布する. * 傾圧成分 * 上端・下端 * エクマン解(ただし, 水平拡散を付加して得られた解である) * 関数形はやや複雑(流れの分布を実際に描くには, 数値積分が必要) * 内部領域 * 最低次はゼロ * TODO * ノートに定式化してきた内容を, tex でドキュメント化する. * 上で得られた解析解をプロットし論文の図と比較する. == 水惑星実験関連の論文の調査 * Enderton et al. (2009) * Marshall et al. (2007) と同じモデルを使い, いくつかの単純な海陸分布(Smith et al.(2006))を与えて, 気候状態の決定に対する南北熱輸送の役割やその内訳について考察した. * 次の大気セミナーにて紹介する? == その他の TODO * 海水の熱力学変数関連のグラフ * 適用可能なパラメータ範囲外と思われる, 系外惑星的設定での EOS 振る舞いを調べるべく, グラフの描画範囲を広げてみる * 順圧ロスビー波, 内部重力波のテスト計算に関して * 傾圧ロスビー波はどうか? * 内部重力波 * 水平伝播するようなケース * 鉛直波数をもう少し増したケース * 水惑星実験関連の論文の調査 * (全球)海洋大循環計算のための非構造格子モデルの動向の調査 == 次回予定日 - 06/26(木) 13:30 から