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放射

太陽放射の吸収と散乱の影響は考慮に入れない. 雲と雨滴は考慮に入れていない. SST の値は固定されているので, ここでは短波放射は全く考えていない.

長波放射については 水と乾燥空気の吸収と放射とだけを含む. 散乱の効果は考えない. 長波放射の吸収係数は大気の冷却プロファイルがおおよそ観測値に 合うように決められている.

放射フラックス $F_{R,i}$

\begin{displaymath}
F_R(z) = \left( \pi B(T_g) - \pi B(T_s) \right) {\cal T}^f(...
..._T)
- \int_0^{z_T} \DD{\pi B}{\xi} {\cal T}^f(z,\xi) d \xi,
\end{displaymath} (31)

ここで ${\cal T}^f(z_1,z_2)$ はフラックス輸送関数で $z=z_1,z_2$ との間で $\pi B \equiv \sigma_{SB} T^4$ はソース関数である.

フラックス輸送関数 ${\cal T}^f(z_1,z_2)$ 次で与えられるものと 考えている.

\begin{displaymath}
{\cal T}^f(z_1,z_2)
= \sum_{i=1}^{N_R} b_i
\exp \left( ...
...ta_R \vert \tau_{R,i}(z_1) - \tau_{R,i}(z_2) \vert
\right).
\end{displaymath} (32)

ここで, $\tau_i(z)$ は光学的厚さで, 大気上端での光学的厚さは 0 で ある.
\begin{displaymath}
\tau_{R,i}(z) = \int_z^\infty k_{R,i} \rho q dz
+ \int_z^\infty \bar{k}_{R,i} \rho dz,
\end{displaymath} (33)

ここで $k_{R,i}$$\bar{k}_{R,i}$ とは それぞれ波数バンド $i$ についての 水蒸気と乾燥空気の吸収係数である. これらの吸収係数の値は一定値を想定している. $b_i$ は波数バンド $i$ についての全放射エネルギーに対するエネルギー の比率で定数とみなしている. $\delta_R$ の値は 1.5 をとしている. $k_{R,i}$, $\bar{k}_{R,i}$$b_i$ との値は 放射定数にまとめた.

この研究では, $N_R$ は 4 と設定しており, 3 つの水蒸気バンドと 1 つの乾燥空気バンドとを再現している.




放射定数
表 2: 長波放射スキームで用いられている定数の値.
Band Number 1 2 3 4
$k_{R,i}$ 8.0 1.0 0.1 0.0
$\overline{k}_{R,i}$ 0.0 0.0 0.0 $5.0 \times 10^{-5}$
$b_i$ 0.2 0.1 0.1 0.6



okuyama naonori 平成13年1月10日