deepconv テストプログラム: 一様流による 1 次元移流 (その2)

ここでは deepconv を用いた一様流による 1 次元移流を計算するテストプログラムの実行方法を 説明します. この実験では水蒸気混合比の移流を計算します.

移流させる変数が異なるだけで, その他の計算設定は「deepconv テストプログラム: 一様流による 1 次元移流 (その1)」と同じです.

実験設定の概要

計算設定の概要は以下の通りです. 具体的な数値等の詳細は設定ファイルを参照してください.

  • 計算領域
    • 一様流の方向に 4000 km, その他の方向に 10 km
      • x 方向の移流計算の場合, x 方向に 400 km, y-z 方向に 1 km)
  • 基本場と数値摩擦の設定
    • 等温乾燥大気 (300 K), スポンジ層なし, 数値拡散 0.0 / 1.0E-3
  • 大気成分などのパラメータ
    • 地球大気条件
  • 空間 / 時間格子間隔
    • 空間格子間隔: 2 km
    • 時間格子間隔: 長い時間ステップ 8.0 sec, 短い時間ステップ 2.0 sec
  • 境界条件
    • 水平方向に周期境界, 鉛直方向に摩擦無し条件
  • 初期条件
    • 移流方向の位置 101 km を中心に, 振幅 1 K の矩形波
      • x 方向の移流計算の場合, x = 101 km, y-z 方向に 1 km)
      • 矩形波の水平方向の幅は, 4 km, 8 km, 16 km, 24 km, 32 km, 40 km, 64 km
    • 一様流の速さは 20 m/sec
  • 計算モデル時間
    • 40000 sec

実験方法

実験は "exp_setup_files/02_advection-Qmix" ディレクトリに移動して行います. このディレクトリに設定ファイル "advection.conf" と実行スクリプト "testrun.rb" が格納されています.

$ cd exp_setup_files/02_advection-Qmix
$ ls
advection.conf  testrun.rb

実験を行うにはスクリプト "testrun.rb" を実行してください. このスクリプト により, 個別の実験を行うための設定ファイル, 初期値ファイルの作成から 実験の実行, 図の作成までが行われます.

$ ./testrun.rb

計算が終了すると, 以下のような個別計算用の設定ファイル, 初期値ファイル / ヒストリーファイル /リスタートファイル, イメージファイルが作成されます.

Imagemagick などでイメージファイルを表示させると, 以下のような結果が確認できます. それぞれの図の実線は初期値と 40000 sec 後の値を示しています.

X 方向の 1 次元移流

02_advection-QMix/advection_200x5x5_std_std_0.0d0_02Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_200x5x5_std_std_0.0d0_04Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_200x5x5_std_std_0.0d0_08Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_200x5x5_std_std_0.0d0_16Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_200x5x5_std_std_0.0d0_32Del_H2O-g.png

Y 方向の 1 次元移流

02_advection-QMix/advection_5x200x5_std_std_0.0d0_02Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_5x200x5_std_std_0.0d0_04Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_5x200x5_std_std_0.0d0_08Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_5x200x5_std_std_0.0d0_16Del_H2O-g.png

02_advection-QMix/advection_5x200x5_std_std_0.0d0_32Del_H2O-g.png

参考文献

  • 気象庁予報部, 2014: 次世代非静力学モデル asuca, 数値予報課報告 別冊第60号