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2000年09月27日 豊田英司
本稿では gtool4 の変数というものが現実のデータをどのようにモデル化したものなのかについて議論します。
gtool4 は netCDF に依存しているわけではありませんが、netCDF ファイル形式を使うことを前提として設計され、またその設計にあたっては netCDF に深い影響を受けました。では、netCDF のデータはどういうものでしょうか。
ひとつの netCDF ファイルはデータセットと呼ばれます。データセットには任意個の変数、任意個の次元、任意個の大域属性を作ることができます。
変数とはあらかじめ決められた名前、次元、型を持った多次元配列です。変数には任意個の属性を作ることができます。
次元とは配列添字に名前を与えるもので、名前と長さを持ちます。長さは固定長と不定長がありますが、ひとつのデータセットに作ることのできる不定長次元は最大で1つに制限されています。
属性は名前と型と長さを持った1次元配列です。文字型1次元配列は文字列と解される慣例です。
型は char, byte, short, int, float, double のいずれかです。これは典型的な 32bit機における C の型と同じ意味を持ちます。ただし、byte は char と同じ大きさの整数で、char は文字型です。
ということがいえます。
次元は属性も格子点の位置情報も持つことができませんが、次元と同名の変数を作って格納する慣用が広く行われています。
データ型の変換はライブラリが担当します。つまり、データセットにおける型と異なるアプリケーションの内部的な変数に入出力しようとするときには、数値によって正しく変換が行われます。ただし文字型と数値型は相互に変換できません。
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