LaTeX2HTML JAパッチ
本パッチは、Nicos Drakos作のLaTeX2HTMLを日本語対応にするものです。
元のLaTeX2HTMLでも日本語はとおるのですが、いくらかの不具合が発生します。
本パッチはこれらの不具合を修正し、日本語環境特有の処理も行います。
本パッチは無保証です。配布ライセンスはオリジナルのLaTeX2HTMLのライセンス
に従います。
Debian プロジェクト
武藤 健志
[準備]
Perl:バージョン4.0以上。
TeX:pLaTeXを想定しています。NTT jLaTeXでは試験していません。
Ghostscript:日本語パッチの当てられているもの。
dvips:日本語パッチの当てられているもの。dvi2psでは動作しません。
netpbm:画像生成用のツール集。
pnmtopng:PNGフォーマットファイル作成用のツール。GIFを使うときには、
netpbmのノンフリー版や透明化のためのgiftransツールを代わりに用
意します。ただし、GIFフォーマットをWebページに使うのはUnisysと
の厄介なやり取りをする可能性があることを覚悟してください。
[設定]
Debianパッケージでは特に設定することなく使えます。
手動でパッチを当てるときには、latex2html-99.1.tar.gz を展開して
latex2html/ディレクトリに入り、
zcat (パッチのパス)/jlatex2html-99.1+3.0.dif.gz | patch -p1
を実行してください。
./install-test を実行して環境の設定を行います。
続いて、latex2html や latex2html.config を修正します。
1. latex2html と latex2html.config 双方にある $LATEX2HTMLDIR に、実際にこ
れらのファイルを置いているディレクトリパスを設定します。latex2html で
指定すべきなのはこの箇所だけです。残りは latex2html.config で指定します。
2. $LATEX にはTeXコンパイラのコマンド名(パス名)を指定します。
3. $DVIPS にはdvipsのコマンド名(パス名)を指定します。
4. $ARTICLE には画像を生成するときのTeXのスタイル名を指定します。
pLaTeXならばjarticle、jLaTeXならばj-articleになるでしょう。
5. $TONATIVE には、Perl内部で文字列を扱うときの文字エンコーディング
に変換する命令を指定します。内部でパイプ処理をするため、先頭に|が必
要です。標準ではnkfを使って日本語EUCエンコーディングに変換します。
6. $TOHTML には、生成するHTMLの文字エンコーディングに変換する命令を指定
します。標準ではnkfを使ってJISエンコーディングに変換します。
7. $ICONSERVER にはアイコン画像を置くパスを指定します。
8. $HTML_VERSION には生成するHTMLのバージョンを指定します。4.0を指定する
と、スタイルシートに対応したHTMLを生成しますが、4.0に対応していないブラ
ウザだとかなり貧弱な表示になってしまうかもしれません。
dot.latex2html-init を ~/.latex2html-init としてコピーして、ユーザーごと
に独自の設定を付けることもできます。
styles/japanese.perl では、各タイトル文字の設定や日付けの設定を行なって
います。
[既知のバグ]
・japanese.perlで手抜きをしているので、元号は平成しか対応してません。
・$ADDRESSを設定しても強制的にjapanese.perlで上書きされてしまいます。
japanese.perlをlatex2html.configで読むのをもっと最初にすればいいんです
が、それだと元から大きく逸脱してしまうことになってしまうし…。
[変更履歴]
v 3.0
・変更履歴をつけ始めた :-)。
・Debianパッケージを作成。
・今後upstream authorに合流してもらえるように、パッチによるオリジナルソー
スの変更をなるべく少なくした。
・前バージョンにあった「物理的指定のフォント」機能は排除した。
・前バージョンで.jlatex2html-initやjlatex2html.configのように変更してい
た設定ファイルの名前は廃止し、オリジナルの名前のままにした。オリジナル
と本パッチ版が混在している環境では注意されたし。
・ascmac.sty用の設定をいくつか追加した。HTML 4.0モードではスタイルシート
を使って比較的良い見ばえになる。